ECサイトを運営していると、商品をカートに入れてもらえても、購入完了の直前で離脱されてしまうカゴ落ちに悩むことは少なくありません。
その原因は、商品や店舗の魅力だけではありません。決済画面のデザインも、購入を左右する要因のひとつです。入力項目の多さや、操作のわかりにくさといった小さな不安やストレスが重なり、購入直前で顧客が手を止めてしまうことは珍しくありません。
この記事では、決済画面が重要な理由や、デザインを改善する7つの方法を解説します。日本国内のECサイトにおける決済画面デザインの事例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

決済画面とは
決済画面とは、ネットショップなどで商品を購入する際に表示される画面のことです。顧客はここで注文内容を確認し、配送先の住所や支払い方法を入力して注文を確定します。決済画面での体験がスムーズであるほど、顧客は最後まで購入を進めやすくなります。

決済画面のデザインが重要な理由
購入を決めて支払いに進んだ顧客でも、決済画面の使いにくさから離脱してしまうことは少なくありません。月商500万円以上のECサイト4,374件を対象にした株式会社イー・エージェンシーの調査では、2025年の平均カゴ落ち率は62.9%にのぼりました。
カゴ落ちの主な理由としては、「入力項目が多すぎる」「会員登録を求められた」「操作がわかりにくい」といった、決済画面のUIデザインへの不満が挙げられます。逆に言えば、UIを改善してストレスを取り除けば、カゴ落ちを減らし、購入完了率を高められます。スムーズな購入体験は、ブランドへの好印象やリピートにもつながるでしょう。

決済画面のデザインを改善する7つの方法
1. 購入手続きをシンプルにする
決済画面の改善で効果的なのが、入力や操作の手間を減らし、購入手続きを簡潔にすることです。ページの切り替えや入力項目が多すぎると、顧客は途中で面倒に感じ、離脱しやすくなります。
Shopifyではワンページチェックアウトが標準になっており、必要な入力を1画面にまとめて購入までの手間を減らせます。一方で、複数ページ型の決済でも、各ステップで必要な情報だけを求めれば、顧客の負担は十分に抑えられます。
重要なのはページ数そのものより、顧客が入力または確認しなければならない項目を減らすことです。決済をすばやく完了できるよう、入力項目は必要最小限に絞りましょう。
2. エクスプレス決済を用意する
少ない操作で購入手続きを進められるエクスプレス決済も、離脱を防ぐうえで効果的です。登録済みの住所や支払い情報を使うため、顧客は入力の手間をかけずに支払いまで進められます。
Shop Pay(ショップペイ)やApple Pay(アップルペイ)、Google Pay(グーグルペイ)、PayPal(ペイパル)などが代表的なサービスです。Shopifyの調査では、Shop Payを利用したチェックアウトはゲストチェックアウトと比べてコンバージョンが最大50%向上するとされています。
3. 複数の支払い方法に対応する
使いたい支払い方法がないと、購入を断念してしまう顧客もいるため、多様な決済方法に対応しておくことが欠かせません。クレジットカードのほか、PayPay(ペイペイ)などのコード決済、コンビニ払い、銀行振込、後払いなど、ターゲットに合わせて選択肢を用意しましょう。顧客が使いたい手段をすぐに見つけられるほど、会計はスムーズに進みます。
支払い方法と同様に、クーポンコードやギフトカードの入力欄も、顧客が迷わず使えるわかりやすい位置に配置しましょう。
4. ゲストチェックアウトを有効にする
初めて訪れた顧客に会員登録を強制すると、その手間を理由に離脱されかねないため、アカウントを作らなくても購入できるゲストチェックアウトを用意しましょう。そのうえで、購入後に「次回から使えるアカウントを作りませんか?」と案内すれば、負担を増やさず会員化を促せます。
5. 決済画面の安全性を伝える
カード番号や個人情報を入力する場面では、信頼できるネットショップかどうかという不安がつきまといます。こうした不安をやわらげるには、決済画面の安全性を目に見える形で伝えることが大切です。通信を暗号化するSSLの鍵マークを表示する、セキュリティ対策のバッジを設置するなど、安全性が一目で伝わる工夫を取り入れましょう。
6. カゴ落ち通知を送る
決済画面のデザインは、離脱した顧客を呼び戻す施策にもつながります。たとえば、会計の早い段階でメールアドレスを入力できる設計にしておけば、購入を完了しなかった顧客にあとからカゴ落ちメールを送れます。決済画面まで進んで離脱した顧客は商品に一定の興味を持っているため、離脱から時間を置かずにリマインドを送るほど、戻ってきてもらいやすくなります。
また、サイトを離れようとした顧客にポップアップを表示するのも有効です。その際、送料無料や割引クーポンなどのインセンティブを添えれば、その場で購入を後押しできるでしょう。
7. クロスセルや特典を追加する
決済画面はクロスセルや特典の提示に適した場面です。購入を決めた顧客は、関連商品の提案を受け入れやすい状態にあります。「一緒によく購入されています」といったレコメンド機能は客単価の向上に、ポイントが貯まるロイヤルティプログラムはリピートの促進につながります。ただし、機能や特典を盛り込みすぎると画面が複雑になり、離脱を招きかねないので注意が必要です。
Shopifyなら、チェックアウトをアプリで拡張できます。400種類以上の機能から必要なものだけを選べるため、決済画面のデザインを損ねることなく、クロスセルやロイヤルティプログラムなどを取り入れられます。
決済画面のデザイン事例
COHINA
小柄な女性向けアパレルブランド「COHINA(コヒナ)」の決済画面は、連絡先や配送先、支払い情報を1ページにまとめたワンページ型です。1ページ内で手続きを進められるため、スマホでもスピーディーに買い物を完了できます。
画面の最上部にはエクスプレス決済(かんたん決済)が配置されており、入力の手間を省きたい顧客はすぐに会計を済ませられます。会員登録は必須ではなくゲストのまま購入でき、注文サマリーには合計金額が常に表示されます。
「すべての取引は安全で、暗号化されています」の表示やカードブランドのロゴで安心感を伝え、クレジットカードやPayPay、ペイディのあと払いなど、支払い方法も豊富に揃えています。
エマ・スリープ
マットレスを販売する「エマ・スリープ」は、手続きを「情報」「配送」「お支払い」の3ステップに分けた複数ページ型です。画面上部に現在のステップが表示され、顧客は現在の段階を把握しながら1画面ずつ進められます。
各ページでは入力項目を必要な分だけに絞り、入力済みの連絡先や配送先は次のページで要約表示され、必要に応じて「変更」から修正できます。注文サマリーは常に画面の横に表示され、金額やクーポンコードの入力欄を確認しながら進められます。支払い画面では「すべての取引は安全で、暗号化されています」と明記され、3Dセキュアにも対応しているため、安心して注文を確定できる設計です。
ニューエラ
キャップなどを販売する「ニューエラ」のネットショップは、エクスプレス決済(かんたん決済)を画面最上部に配置しています。通常の入力フォームより先に「または」で区切って見せることで、住所やカード情報の入力を省きたい顧客が、ボタン1つですぐに会計を完了できます。
会員登録をしなくても「ゲストとして購入する」を選べるほか、ログインすれば送料無料などの会員特典を受けられます。支払い方法はクレジットカードや楽天ペイ、あと払いのペイディ、代金引換など幅広く揃えています。クレジットカード決済は本人認証の3Dセキュアに対応しているため、第三者による不正利用を防ぎながら決済を進められます。
まとめ
決済画面は、顧客が購入を完了するかどうかを決める最後の段階です。手続きをシンプルにし、エクスプレス決済や多様な支払い方法、安心感を伝える工夫を重ねることで、カゴ落ちを防ぎ、購入完了率を高められます。
こうした仕組みをスムーズに導入したい場合は、ECプラットフォームのShopify(ショッピファイ)も選択肢のひとつです。ワンページチェックアウトやエクスプレス決済を標準で備え、集客から決済までを一括で管理できます。無料体験も実施していますので、ぜひ一度お試しください。
決済画面のデザインに関するよくある質問
優れた決済画面のUIデザインとは?
顧客が迷わず安心して購入できることを第一に考えたデザインです。入力項目を必要最小限にしぼり、注文内容や送料、合計金額を確認しやすくすることが重要です。あわせて、利用できる決済方法やセキュリティ情報をわかりやすく示すこともポイントです。1ページで完結する設計は有効ですが、複数ページ型でも各ステップが明確で入力負担が少なければ問題ありません。
決済画面とカートの違いは?
カートで「何を買うか」を決め、決済画面で「実際に購入する」という違いがあります。カートは購入予定の商品と金額を確認する画面、決済画面は配送先や支払い情報を入力して注文を確定する画面です。
スマホの決済画面で気をつけることは?
スマホの決済画面では、入力の手間をできるだけ減らすことが重要です。ゲスト購入、住所の自動入力、Shop Payなどのエクスプレス決済を用意し、少ない操作で支払いまで進めるようにしましょう。ボタンや入力欄は指で押しやすい大きさにし、入力エラーもその場でわかるようにすることが大切です。




